ブルーベリーの果実を収穫して食べることは栽培する上での最大の楽しみですが、「挿し木」で苗を増やすことも楽しみのひとつです。
挿し木による増殖の手法は主に2通りあって、挿し木を行う時期によって「緑枝挿し」「休眠挿し」と呼ばれています。
ラビットアイ系ブルーベリーは「緑枝挿し」による発根率が高いことから、初夏(6月)に入ってから積極的に挿し木を行うことで果実以外にも喜びを感じる場面が増えます。
緑枝挿し
6月頃から7月下旬までの期間、春先から伸びた不要枝やシュートなどを剪定して挿し穂を獲得します。先端部分は発根率が悪いようですが、2~3mmの太さがあれば十分に発根するはずです。
夏の暑い期間に水管理することになるので毎日観察できる環境に置くことを推奨します。挿し床に保水性の高いピートモスの割合を多くすることでが水やりの回数は減りますが、発根後の根腐れ防止を考えると、鹿沼土を混ぜ込むのも良いかもしれません。
挿し木から発根までの期間は60日ぐらい。長くて待ち遠しいですが、そんなものだと割り切って付き合うのが精神衛生上好ましいです。覚悟しましょう。
緑枝挿しスタート
挿し穂を10cm~12cm程度に切り取り、先端の葉を2~3枚残して他の葉は取り除き1時間程度水につけます。品種混同にならないよう品種名をラベル等で書いておくと良いです。基部は組織を潰さないよう鋭利なナイフ等で斜めに切り返しておきます。
用土はピートモスまたはピートモスに鹿沼土を混ぜたものを使用する。水はけの良い育苗トレイなどを使うと良いです。基部を傷めないよう用土に差し込み、やさしく水をかけて用土を落着かせます。
緑枝挿しのその後
60日~80日くらいで発根。ポットに鉢上げして翌春まで大切に育てます。
大きくなったものから順に4号鉢に移植しました。4月ごろになって暖かくなると日々グイグイと大きくなるので楽しいです。緩効性肥料を少しあげると良いです。
花が咲いていました。取ったほうが生長には良いらしいです。
休眠挿し
2月から3月にかけて採取した枝を挿すことでも増殖が可能です。
挿し穂を採取と保存のための処理
今年(2018年1月)はたった1回の大雪で沢山のラビットアイ系の枝が折れました。枯れる前にさし穂処理を行い休眠挿しに備えます。折れた枝の中にはお気に入りだったノビリス(T-100)があります。緑枝挿しでは失敗したのでちゃんと増やしておきたい品種だ。
休眠挿しは通常3月ごろに挿し木を行うので採取時期が早い場合は一定期間保存しておく必要があります。ノビリス(T-100)が折れたのは大雪後の1月20日。3月まではだいぶ間が空くので10~12cmの長さにカットしビニール袋に入れて保存します。
保存するのは冷蔵庫。だいたい5℃くらい。
挿し穂の処理と用土の準備
緑枝挿しと同様に挿し穂下側の処理を行い用土に挿します。
挿し木用の用土は「ピートモス+鹿沼土」が標準ですが、籾殻を混ぜたピートモスを使用します。ピートモス100%よりも排水性を高めるイメージで。
今回はスリットポット(6号鉢)に12本挿していきました。
とりあえず、まだ1月なので室内で発根を待つことにします。